「……あの、兄様…」

小さな身体を更に縮こませて、ルキアは白哉の腕の中に囚われていた。



事の始まりはつい先程

一週間ぶりに、多忙をきわめた隊務から戻った義兄へ「お帰りなさいませ」と一言 挨拶の為、部屋を訪れた

着替えを済ませた白哉は、ルキアの姿を目に捉えた瞬間、相当の疲労が溜まっていたのか、その場に崩れ落ち、ルキアは慌てて支えようとした…のだが、体勢を崩し二人は畳に寝そべるかたちになってしまった


「…痛、兄様すみませ…!?」
慌ててルキアが起き上がろうとしたが、彼女は自分が囚われの身となっている事に気付いた

すっぽりと彼女は白哉に抱き締められていたのである




そして今に至る

ずっと義兄に呼び掛けてみるも、当の彼は普段見せる事がない穏やかな表情で安らかに寝息をたてている

早まる鼓動と紅潮した所為で上がっていく体温が、更に白哉の心地好さを増しているとも知らず、ルキアは腕の中でじっとしている事の他なかった



一方の白哉は、義妹の必死の呼び掛けを遠ざかる意識の中で聞くも、この戒めは暫く解くまいと穏やかな寝顔の下で画策していた



01.逃がすわけがない





■抱き枕ルキア サイズが丁度良さそうです(笑)
人肌の温度と、伝わってくる鼓動って、とても心地いいものだと思います