六番隊隊長の執務室に、その六番隊隊長 朽木 白哉からは思い付かないものが最近、常備されている
執務机の前に設けられた応接セットのテーブルに、切子硝子の蓋付き瓶がいつからか置かれていて
―その中には金平糖や琥珀糖等の菓子が日替りで詰められていた
勿論、辛味を好む白哉はそれに手を付けはしないのだが
本日は色とりどりの飴であった
その虹色の煌めきをじぃ…っと見つめる少女は 朽木 ルキア
十三番隊からの書類を届けに来て、白哉が一通り確認するまで待っているところであった
彼女は隊務であったり、家の使いであったり、時折 六番隊舎に顔を覗かせている
切子硝子の瓶が置かれる様になったのは彼女の為であった
「…あの、兄様 頂いても宜しいですか?」
「好きに食せば良い」
書類から目を上げてルキアにそう告げると、嬉しそうに微笑まれた
だからやめられない
表情には出さないが、満足して書類に目を戻した その時
パリッ…
「…った」
再度、ルキアの方を見ると、彼女は両手で口を押さえている
「どうした?」
「いえ…大した事では…」
白哉は、眉根を寄せながら笑うルキアの傍に行き、彼女を上向かせ
―その小さな紅い唇を己の唇で塞いだ
「―っ…」
突然の事にルキアは瞳を見開き、だが両手は白哉の袖を ぎゅう と甘く掴む
「…ん」
口内を白哉の舌が撫でていくので、息苦しさと恥ずかしさで、益々ルキアの眉間の皺は深くなり、頬は紅に染まった
……甘い…
薄荷と血の味がする
ようやく唇を離して貰えた時、ルキアは真っ赤な顔で
「……誰か来たらどうなさるのですか……」
と白哉の胸に身体を預けながら呟いたのだった
やはりやめられない
甘い香りで少女を引寄せ、二度と離さないでおきたいものだ
白哉は満足気に自分の唇を舌でなぞったのだった
やってしまいました…
涼しい顔して蜘蛛のようです 好色二十八代目当主(笑)
本来なら甘いものに釣られるルキアではないんでしょうけど、このサイトのルキアはよく釣られている気がします(あれ…)
『お菓子あげるって言われても、のこのこ付いていったら駄目』と幼少の頃言われた事を思い出しました(苦笑)
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