「なかなか進まぬのは此処から観る景色が良い所為か?」


…トサッ


足袋が目に映った

頭を打った
目を見開いた
間抜けにも仰向けに転がってしまった
停止していた思考が更に混ざり合ってしまった



「雨乾堂を囲む池の睡蓮が、丁度咲き始めた頃と思ったのだ」
「白哉兄様!!」

慌てて起き上がった
「何故こちらに?」

「正午を回ってもなかなか戻らぬ故」

「…す、すみませぬ 思った以上に長引いて…」


「気に病むな …主は居らぬが、此処で茶にせぬか?」


そう言って白哉が出したのは、兎の薯蕷饅頭―ルキアの大好きな和菓子―が木箱にちょこんと二匹、仲良く並んでいた




来客用の茶碗を借りて、茶をいれる


急須に落ちる湯の音が心地好く耳に届く

湯気の所為もあるが、何だかほこほこしてきた

逸っていた気持ちが落ち着いてきた




「…有難うございます、兄様」

「捗りそうか?」
「はい!とっても」

そう言ったルキアの顔は青楓の緑の様に、すっきりしていた





庭の青楓があまりにも綺麗なので、突発的に書きました(笑)
紅葉も好きなんですが、みずみずしい青葉も大好きです

何だか甘々な白哉兄様になってしまい、此れで良いのだろうか?と迷ったのですが、突発の産物ということで(ちょ待て)


兎の薯蕷饅頭は、よくお世話になる和菓子屋さんのものです
中のこし餡が良い具合にしっとりしていて、濃い茶といただくとかなり美味です


…完璧趣味の話になってしまいました(汗)

設定上色々と突っ込み所満載でしょうが、大目に見てやってください

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