重い灰色の空模様の下、隣に座る娘は不安に満ちた瞳で言った

「…私は此処に居て、宜しいのでしょうか―?」

その一言で、私の心は騒ついた―『私の傍に居てくれないのか?』

その一言で、悲しみに締め付けられた―『離れていくな』

これが我儘というものであろうか―『傍にいてくれ…』


知らない感情に惑い、現実を確かめるように義妹を強く抱き締めた

「―に…さま…」

そっと腕を弛めると、同じく惑う瞳に雫を溜めながら、ルキアが私を見上げていた

柄にもなく震える指先を、彼女に伸ばした

頬に触れた手から、私の惑いが伝わったかもしれぬ…


あぁ、この新たな感情の愛しさを どうしたら良いのだ



私の指を伝った雫はひどく温かかった―





まどう

「惑う」 心の迷い うろたえる あわてる 
心を奪われ、判断力を失うの意
また、「ひどく〜する」の意味にも用いられる







■もう少しスッキリと文章が書けるようになりたいです(沈)
内心戸惑ったり、焦ったりする兄様が好きです(悪趣味)