「浮竹隊長、何をされているのですか?」
ひょこんと俺の肩口から顔を覗かせたのは、朽木だ
ほわん…と湯気が立っている湯呑を持っていた
「いや、もう春も終わりだなぁと思ってな」
「はい、いつの間にか若葉が芽吹いて…あ、お茶です」
「あぁ、有難う 朽木も座れ、菓子もあるぞ」
傍の戸棚から饅頭を取り出しながら言う
「……頂きます」
少々迷ったが、菓子の魅力には勝てなかったらしい、ふにゃと笑って彼女は俺の隣に座った
―以前は無かった、この子が隊務中にこんな解れた表情を見せるのは
様々な柵から解放された今、ようやく本当の彼女を取り戻しつつある
芽吹いた若葉の様に生き生きと―
そんな彼女を見て、俺は時々詰まるような、甘苦しい感覚に襲われるんだ
若葉と共に芽吹いた気持ち
…今はまだ秘めたままで
めぐむ
「芽ぐむ」
草木が芽を出す 芽吹く
また、ある感情・考えなどがうまれるの意味
■浮竹隊長青春の日々(笑)
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