「兄様と居ると…」

視線は庭の桜に向けたまま言いだしてみる。

隣にある気配は微動だにせず、静かに私の言葉の続きを待っている。


「…苦しいです」
…僅かに大気が揺れた、気がした。

「…ルキ「今日は現世で何の日かご存じですか?」
口元に悪戯を含ませて、隣を見上げると―横向きの無表情に段々、眉間の皺が深くなっていく

―深い溜息の後

「…四月一日…戯言を申しても良い日…だったか」
「はい」
「戯言だったのか」
「…ええ」
「…本当に、おどけていただけなのだな?」
「…はい、戯言です」

「―戯言であっても、いらぬ…」
「―はいっ」


只、貴方を慌てさせてみたかっただけなんです―…





おどけ

「戯け」「お道化る」と当てる場合もある。
ふざけたりたわむれること。
しゃれ、こっけい、冗談。
親しさや気を許しあった雰囲気を持つ言葉。







■朽木義兄妹、エイプリルフール。
最も「おどける」事が似合わないCPで敢えて挑戦。
そして玉砕…