―降り積もった白雪に椿の紅が鮮やかで…


「…―出掛けるのか?」

新年の挨拶を兼ねた隊首会から戻った白哉は、縁で出会った義妹を見て尋ねた

義妹 ルキアは振り袖を着ていた 白ちりめんに匹田の桜が舞い、兎が跳ね遊んでいる
髪には真紅の椿を模したかんざしを挿していた

「はい、浮竹隊長のところへ挨拶に伺った後、恋次と初詣に行こうかと」

「―初詣か…」

白哉の視線が無意識に義妹に定まってしまい、ルキアは微かに戸惑いを覚える


束の間の沈黙―鳥の羽音がそれをやぶる


「ならば…私も同行しても良いか…?」

義兄からのそんな突然の申し出にルキアは一瞬、驚いた顔になった
―が、次の瞬間、その表情は笑顔に変わる

そして、頬を染めてゆっくりと頷いた


その笑みがあまりにも綺麗で…雪の中に色鮮やかな椿が凜と花ひらく―そんな笑みであった


「初詣は人が多い故―…お前は捕まえておかないと、人に呑まれそうだからな…」

何かを誤魔化すような、意味を持たない言葉が、目を伏せた白哉の口から出る

義妹を盗み見ると、くすぐったそうにはにかんでいた



―今年は歩み寄れるであろうか…

小さなその身に情熱と潔さを秘め、雪の中、凜と咲こうとしている深い紅を

これからは―そう、分かり合え始めたこれからは、手折らず…花開くその日まで、守りたいと思った







初書き文章です
資〇堂シャンプーTU〇KIの竹内〇子さんが着てる着物が可愛かったので、ルキアに着てもらいたいという欲のまま書いてみました

2008.8.15 加筆修正

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