師走の十四日


朝 いつもどおりに出勤すると、隊舎の中庭に大きな樹が車で運び込まれていた
何事かと思い 近づくと、指揮を執られていたのは浮竹隊長で、私も作業に加わることになった

其の大きな樹を中庭の真ん中に立ち上げてから固定した後、光る玉や、林檎、鐘などの形をした色取り取りの綺麗な飾りを脚立を使って樹に付けた
現世でも同じようなものをいくつか見たことがある 確か、“くりすますつりー”というものだった
浮竹隊長が物知りだと褒めて下さった


浮竹隊長に私のことを子ども扱いしておられたことについて少々文句を言うと、“くりすます”は皆で楽しむものだから固く考えなくて良いんだよ と逆に諭されてしまった
浮竹隊長がちいさく「そっくりだなぁ」と呟いておられたが…誰であろう?
現世に滞在していたとき 確かに、“くりすます”には一護の家族や井上、石田、茶渡達と賑やかに過ごしたな…楽しかった


高い所に登るのは得意なこともあって、私が樹の一番上の星を飾らせてもらった
飾り付けられた“くりすますつりー”はとても綺麗だ
それに、飾りのなかには夜になると光る機能もあるらしく、今度の夜勤の日が楽しみだ


それから小椿殿と清音殿がどちらの短冊が上に付けるか小競り合いが始まって、浮竹隊長に「七夕じゃあないぞ」と止められていた