渇きの中に一滴(ひとしずく)の望みを感じて、気怠い躰を音無く起こした。




傍らに散らばっていた長襦袢を羽織り、深い息を吐き出した。



枕元に置いてあった愛刀に

「舞え 袖白雪」

そう囁くと、穢れを知らないかの様に真白な刀が現れる。

己の内で蠢く暗い想いと共に、刀を抱き締めた。


『この白には高貴な紅がきっと映える―…』
恍惚とした感覚に酔いながら、傍で眠っている兄を見つめた。




私はいつ迄亡き奥方―姉様の身代わりなのでしょう

私は貴方を手に入れたい

貴方に私を見てほしい


「望んでも良いでしょう?―兄様…」



…花弁が白い寝間着に散った。




時々、鬱憤晴らしと言っては何ですが、こういった暗い狂気じみた話が浮かびます(笑)。

こんなルキアを書いてしまってすみません。
しかもお相手兄様…(汗)

でも『裏』と言うと、兄様か もしくはギンしか妄想出来なくて(笑)。
はい、腐ってます。


『深見草』に繋がっていますので、宜しければ読んでみてください。

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