「おやめ下さい」
そう云ったところで、この手は止まるのか
胸にひやりとした外気があたるのを感じながら
冷めた思考が頭を掠めた
ちろり…と舌の感触を鎖骨に感じ
思わず仰け反る
「…ひ、ぁ」
無意識に、声が、出る
―私は、ずっと ずっと
これを 望んでいたのかもしれぬ…
自身の熱を孕み始めた肢体が
充分過ぎる程に其れを証明している
着物の下の、襦袢のまた下の、隠された肌を探る手を
その侵入を拒む為に掴んでいた己の手の力を抜くと
兄様は口元に意地悪な色を添えた
従順(すなお)な肢体
所詮、本能には諍えないだろう…?
モット?
モドル?