「―っは…美味しかった!馳走になったな!」
「おぅ、そら良かった…」
ころころ と音がする方を見ると、ルキアが瓶を振っていた。
「何だ、もう一本飲みてぇなら今度は自分で出せよ。俺は『暑い』とは言ってねぇぞ」
「違う、ビー玉を取り出せないかと思ったのだ」
瓶の中を転がるビー玉に瞳を近付けながらルキアは言った。
「貸せよ、割って取り出してやる」
そう言ってルキアの瓶に手を伸ばすと、彼女は小さく首を振った。
「そんな事をしたら、瓶と一緒に割れてしまうかもしれない」
相変らず瓶を振って ころころ と音を聴いているルキアの言葉に、何故か恋次は『朽木家』と『ルキア』を思い浮かべた。
…いや、正確には『朽木家』ではなく『朽木 白哉』か
朽木 白哉を倒し、ルキアをいつか取り戻すつもりだった。
だが今、彼女は義兄と和解し、幸せな生活を送っている。
聞けば以前にも増して、白哉のルキアへの『不器用な愛情』は深まったとかなんとか…
ルキアも家の事を楽しそうに話すようになっている。
もしかしたら…前よりルキアを取り戻しにくい状況ではないか?
―地道にコツコツ『丁寧』にやるしか無いって事か…
恋次はまだビー玉を見つめているルキアをちらりと見た後、ラムネの残りを一気に飲み干し、色々な意味を込めて鼻を摘んだ。
相変らず太陽は容赦無く照りつけていたけれど
そんなモンに負けていられねぇ
三ツ●サイダーのCMから思い付いたものです。
相変らず恋次は一人もごもごしています。
朽木兄妹の仲良し度(笑)が上がってしまった今の方が、ルキアを手に入れにくくなったんじゃないかなー…と千本桜を構えて『ルキアはやらぬ』と凄む兄様万歳という、何とも文が可笑しいのは、暑さで頭の中が沸騰しているからですね(爆)。
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