…それなのに


早朝に伝令神機に入った浮竹の体調急変の一報

三席二人は浮竹と共に四番隊総合救護詰所へ

日頃から浮竹より直に仕事を請け負っていたルキアは、真っ先に隊務に呼び出された



義兄は勿論、臨時で隊務に出向く事を止めはしなかった


―でも「早く終わらせて戻ってこい」と一言、出掛けの背中に告げられた

「正午までには絶対に終わらせて来ます!」と、宣言して来た




だが、気が散ってどうにも進みそうになかった


もう昼時だった

「―何故…」




浮竹が悪いのではない

臨時の隊務も書類の量も、大したことではない

誰も 何も 悪くない


…でも辛かった

逸る心を押さえきれない自分が情けなかった

何かの所為にしてしまいそうになる自分が、とてつもなく嫌だった


「…あ〜あっ!」

ふいにツン…と目頭が痛くなって、わざと大きく溜め息を声に出し、後ろに反り返った