炎天下
暑さになど構っていられない程、必死に蝉が鳴いている
もし、同じように 期限 が差し迫る身ならば
たとえ望みが無い とわかっていても
貴方へ想いを打ち明けようと
私は努力をしただろうか
微温湯に浸かったまま
私は今も、昔も変わらず、動くことも出来ずに、此処に居る
くしゃり と空蝉の崩れた音がした
耳に纏わり付く 蝉の声
生命が許す限りの、地上での僅かなあいだ
此奴等はずっと声を張り上げ鳴き続ける
その鳴き声は生命への執着か
それとも
恋しきものへの最期の言葉か
醜い
そう、切り捨てられずに
何処か羨ましくおもうのも、また事実である
私は鳴く術を知らず
何回目かも忘れた夏を
ただ ただ 遣り過ごしている
空蝉のような こころ をただ持て余す
モット?
モドル?