「何故 私をお抱きになるのですか」
兄様に尋ねたことがある
快楽の為?
虚無のこころを偽りの愛で満たす為?
ただの気紛れ?
男と女の理?
亡き奥方の身代わりとして?
お聞きしたいことはこんなにあるのに
言葉は紡がれること無く、その唇は塞がれてしまう
機嫌を損ねた色を湛えた瞳に
私は咽喉元にひっかかっている言葉たちを飲み込む
「―…っん」
「ならばルキア、何故大人しく私に抱かれる」
「…は、」
「ルキア」
「兄…っ様、」
わかっているくせに
わたしたちは ずるい から
わざと違う こたえ を想定して
傷付け合い 愛し合うのだ
モット?
モドル?