春
首に、背に、胸に
桜に似た花弁をその一面に散らせば
その花貝から漏れるのは
鶯より甘い啼き声
夏
朝顔の蔓のように
ふたり 手足を絡ませ
水の中をゆく魚のように
躯をしなやかにくねらせる
秋
紅葉の褥に組敷けば
葉の紅よりも鮮やかに頬を染め
熟れたどの果実よりも甘く
その肢体は香る
冬
触れたら手からすり抜けてしまいそうな
雪の白肌を腕に抱き
熱を孕んだ接吻で
互いのぬくもりをうつし合う
お前がいるから 世界はこんなにも美しい
モット?
モドル?