触れることを拒んでいたわけではない

触れることが出来なかったのだ


他人(ひと)は言う
“兄”として

愛しみをこめて
その黒髪を撫でてやればいい


優しく
その頬をつつんでやればいい


伝う涙を その跡もなく
己が指に雫を絡め取ってやればいい



簡単に 言ってくれるな



触れたが最後

此の手で、あの娘の何もかもを
掻き抱き
閉じ込め
己の心のままに…



そんな危険を孕んでいるから

…―ルキア
今日も私はお前に触れられぬ




一触即発




モット?

モドル?