もぞもぞ…と何やら腕の中で温かい存在(もの)が動いて、私は覚醒に至る
自分が直に畳の上で眠っていたことに驚き、
更にいつの間にか羽織が掛けられていることに気付く
そして、ちいさな寝息が腕のなかから聞こえ、
ルキアがすっぽりと其処に収まっていることに 一瞬 固まった
「……」
恐らく、いつのまにか眠ってしまった私に、羽織をかけたのはルキアで、
そのままこの娘も眠りにつられた―ということか
「…ルキア、」
呼びかけても目を開けることはなく、ますます私の身体に身を寄せてくる
鼻を微かにくすぐる この娘のやわらかな香りが、
その無防備さが 理性を 乱し始める
「…―何をされても文句は言えぬぞ…?」
そうちいさく警告をして、穏やかな調子で寝息が紡がれる唇へと誘われるままに―…
無意識の誘惑
モット?
モドル?