「―っ、いや!あぅ」
只管に逃れようと 伸ばした手指が
真っ白な障子紙を容赦なく切り裂いていく
どんなに滅茶苦茶に抵抗しても、白哉兄様の私を暴く行為は止むことは無く
「っやあ――ぁっ!!」
一際 強く奥を抉られて 私は空の叫び声をあげながら、宙に上げていた腕を畳に振り下ろした
紙の破れる音が酷く耳障りだった
肺に酸素を送り込もうと、顔を上げた
「――は…ッふ」
紙が剥がされた障子戸の格子越しに、白い光を放つ冷たい月がみえていた
荒い息遣いを耳元で感じながら、
自分のなかに 注ぎ込まれるちいさな震えを感じながら、
…あぁ きっと、あの清らかな光を此の身に受けることはもう 赦されないのだと
剥き出しの格子に指を絡めながら、静かに滴を頬に伝わせた
月堕ち
兄様に 初めて抱かれた日の月は 今でも鮮明に思い出すことが出来る
モット?
モドル?