口の端から 呑み込めなかった雫がおちる
「―ぅん…っ」
咽喉が音をたてるのを確認すると、兄様は漸く 私から唇を離した
酸素が足りず、息が荒い
身体が熱いのは、熱の所為?
動作が重いのはきっと、さっきまで手足を押さえ付けられていたから
湯呑に再度 口を付ける兄様に
「ひ、一人で飲めます…」
と、言ったのだけれど
「人に伝染したほうが、早く治ると聞いた」
と言って、強く顎を引き寄せられる
「や、もっ―!」
貴方に触れられて、貴方に口づけられて、貴方に浮かされて
熱は いつまでたっても下がらない
モット?
モドル?