意識を無理矢理現実へと連れ戻し、
動かし辛い身体を起こした
全身汗をびっしょりとかいていて、
夜着が肌に ぺたり と貼り付いている
「気持ち…わる…」
その自分の口から発した声が、
聞きなれた自分のものであることに、
おかしなことだが私は安堵の息を吐いた
こわいゆめ をみた
そのゆめには緋真姉様がいた
緋真姉様は私の顔を冷たい両手でしっかりと捕まえて
「白哉様を愛する感情はすべて『わたし』の想いなのよ
ルキア、貴女の想いではないの
勘違いしないで?」
と、やさしくて青白い微笑みを浮かべながら、
どんどん私を侵食して、
私のなかの『ルキア』がみるみるうちに 緋 に染まっていって、
兄様に対する『ルキア』の想い なんてそんなあってはならない 醜いもの を覆い隠してしまうように、
どんどんルキアを塗り潰して―…
想うことが罪だというのなら、愛とは何と恐ろしいものなのだろう
自分の想いを正当化する為に、唯一の肉親を憎悪し、恐怖するこの現実が、
一番 こわいゆめ であるということに私はまだ気が付いていなかった
モット?
モドル?