かんかん照りといった言葉がぴったりの日和りの中

木陰で涼んで居る者

川の水に足を浸して涼をとる者

―そして 氷 と書かれた布がはためく元で、二人の死神も涼を求め、ひと休みしていた。





「……あちぃ…」
真夏の太陽よりも紅い髪の死神が呟いた。

「わかっておる。言うな、余計に暑苦しい」
兎が跳ねている桜色の扇子をはたはた扇ぎながら、もう一方の死神―ルキアは言った。


「はい、暑い中御苦労さん」
店のお婆さんが差し出したラムネ瓶を二人は受け取り、まずはその冷たさをそれぞれ額や頬で感じた。



ビー玉を中に落とすと しゅわ と爽やかな音がした。

「…夏だな」

「あぁ、あちぃ…」
「言うなと言っておるだろう、余計に暑く感じる―っ…痛」

「ばぁか、一気に飲もうとするからだ」
鼻を摘んで涙目になったルキアを横目で見ながら、恋次も口へラムネを流し込んだ。

しゅわしゅわと爽やかに喉を流れていく。


日射しは強く地面をジリジリと焼いている。


聞こえるのは蝉の合唱のみ。



「…あ―…ちっ―ぅおいっ!!噴き出すところだったぞ!!」

いきなり横腹を拳で叩いたルキアを睨むと
「これ以上『暑い』と言ったらラムネもう一本追加だ」
「―ってめ…っ」

口を開くと禁止用語が出そうだったので、恋次はおとなしく飲むことにした。